以前このブログで、主にアムウェイ社の原価率の低さについて言及しました。

アムウェイ製品の原価率は低い!?
http://catkojiro.dreamlog.jp/archives/52101902.html

広告費についてはあえて明らかにせず、広告費や販売促進費が含まれる「販売管理費」比率の高さについて指摘していました。

先日、Twitterで交流のある「ゆうゆう」さん(https://twitter.com/you_you_1 熊のプロフ画)が某アムウェイショッピングメンバーの方と意見交換しておられましたので、「アムウェイの広告費比率は高いのか低いのかについて」検証しようと思います。

そのお相手の方がツイートを消してしまったので、「アムウェイ社内、会員内ではどういう形で広告費の多寡を捉えているか」が伝わってまいりません。
世間の声として、「アムウェイ 広告費」で検索すれば数多くのブログエントリーやまとめがありますので下記のようにまとめてみました。

【反アムウェイ】
 『アムウェイの商品は、広告費、仲介料に一切お金をかけていない分、商品自体にお金をかけているので高品質!』

『価格の30%は原価、40%はアムウェイの利益、残りの30%は販売促進費である。この原価率30%というのは他社と比較し非常に高い。だから良い商品を作ることができる。他社は広告費や無駄な流通経費が多いため、商品そのものにお金をかけることができない。』


【ニュートラル(元アムウェイ会員)】
『・・・アムウェイでは通常のメーカーと違い、中間マージンや広告費がかからないわけです。(と、説明されますが、去年バンバンCM流してましたから広告費はかかってますよね。かかっていないのは中間マージンだけですね。)
・・・
上記のように、アムウェイでは利益の約30%を製造原価に、約30%を給与などの諸経費に、そして残りの28.75%をディストリビューターへのボーナスとして使っています。
2015年の日本アムウェイの売上は1000億円なので、約300億円ほどがボーナス金額としてあてがわれているわけです。数字だけ見るとすごい額ですよね。』

アムウェイという会社を、テレビCMや、雑誌などで知った人はいないかと思いますが、それは、アムウェイが製品に対して広告費をかけていないからなんですね。
では、どのように製品を宣伝しているのかというと・・・、ディストリビューターの人達に製品を宣伝してもらっているのです。』


【アムウェイ会員】
OM(筆者注:オポチュニティーミーティングの略、第一次洗脳状態を保持するために何度も刷り込みするためのセミナー)
Amwayは中間マージンと、広告費を削減して、売上の約30%をディストリビューターに還元している。
日本Amwayの年間売上は約1000億円なので、300億還元している。』

『このビジネスモデルって儲かるのかって?
会社にもよりますが、この報酬部分を宣伝広告費だと考えれば安いものなんですね。
何十億とかけて宣伝広告をするよりも、費用対効果がある、特にブランド力に乏しい新規参入企業にはピッタリのビジネスモデルなんです。』


いくつかピックアップしてみましたが、「広告費」「広告宣伝費」「販売促進費」と使われている用語の使われ方がバラバラで判りにくい事このうえないので、一般的な・広義の「広告費」とはどういうものかを、まず定義しようと思います。


通常、狭義の「広告宣伝費」というと、『売り手がその業界で積極的にブランドイメージを構築し、商品の価値を消費者にわかりやすく伝えるためのコスト』とされます。
イメージとしては、テレビのコマーシャルをはじめ、新聞・雑誌・フリーペーパーの広告・チラシ配布・インターネット広告・ホームページなどへの費用が考えられるでしょう。
このサイトでは広告宣伝費に販売促進費が含まれるものとして説明がされています。


一方「販売促進費」とは何を指すのでしょうか?
オンライン決済大手「Square」では下記のように例が挙げられています。

『販売促進費の具体例:
消費者に直接アプローチをする方法は業種によってさまざまです。主に以下のようなものが考えられます。
販売奨励金(リベート)を販売代理店に支払う
・試供品・サンプル品を配布する
・割引券・クーポン券を配布する など』
ただ、会計上では仕訳しにくいものとして、こういう記載もあります。
販売促進費と広告宣伝費を区分する明確な基準やルールはありません。正解がないため、販売を促す費用に対して、どちらに分類すべきなのかを迷うことも多いようです。正解がない以上、仕訳時に混乱が起きないように、自社の中でルールを作っておくことが大切です。今回は、わかりやすいよう次のように両者を区分し、具体例を紹介します。
・販売促進費:消費者に直接アプローチをする費用
・広告宣伝費:消費者に間接的にアプローチをする費用』


・また、東洋経済社の「「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング」には、こんな注意書きもあります。
『・・・なお、広告宣伝費と販売促進費が合算値で開示されている場合にはその合計値を用いている。』


以上の内容から、会計上の、狭義の「広告宣伝費」と「販売促進費」は社内ルールで分けることが望ましいが、業種によっては不可分な場合もあり、このエントリー内においては、

広義の「広告費」を「広告宣伝費+販売促進費:消費者への間接および直接アプローチコスト」と定義いたします!

エビデンスは上記のサイトだ!!


さて、長い前置きは終わりました。
コミュニケーションにおける最大の障壁は、共通認識を持つことです。
用語の定義は不可欠(あとで無駄なツッコミを受けないように)ですので、かなりの行数を消費したこと、お許しください。
※本日はいつになく格調の高い文体で、戸惑われる方も多いでしょうが、これが素の私です(苦笑

定義が終わったところで実態の調査と比較を始めましょう。

以前のエントリーから、古いデータではありますが(発表されていないのでしゃーない)利用させていただきます。

amway原価率


まず抑えておいていただきたいのは、上で定義した「広告費」です。
売上に対する比率で記載します。

・日本アムウェイ:1.9%+28.8%=30.7%
・花王     :7.6%+11.3%=18.9%
・ライオン   :6.7%* 4.5%=11.2%

あらら、日本アムウェイ社は売上の3割強、他の日用品メーカーは2割にも達していません

ところで、業種により広告費の比率はバラバラです。
業態が異なるので当たり前です。
各業界、業種によって、一般的な広告費比率はどうなのかというと、下表のとおりです。
※あくまで参考値ですよw

一般広告宣伝費比率表


アムウェイ社は、化粧品・健康食品業ですから、おおむね10%~20%というのが一般的ということです。
上で示した花王とライオンは見事に範囲内ですが・・・・・


アムウェイダメじゃんw


はい、賢い消費者の皆様はお判りですね?

<アムウェイ社は広告費を、同業他社(マルチ商法ではない)の2倍から3倍程度使っている>
※会員マージンは、代理店に対する販売奨励金に該当するため「販売促進費」となり会計的には科目を分けて計上しなければならないが、非マルチ会社も販売促進費を使っているので、公平を期するために「東洋経済社の基準に則って」「広告費は広告宣伝費と販売促進費を合算した」比較となる


ちなみに、このランキングで掲載されていない日本アムウェイの「売上に対する広告費」ランクは、1000億円中30.7%とすると307億円ですから、33位ライオンと34位オリンパスの間ですね(売上は2016年当時から換算)。

特筆すべきは、「ライオン売上3,956億円とオリンパス売上7,480億円に挟まれている」ってことですね!

広告費ランキング25−40



スゴイスゴイ!
1,000億円しか売上がなくても頑張ってるじゃないですか!アムウェイ!
画期的だぞアムウェイ!こんなに広告費を支出しているぞアムウェイ!
原価を大いに圧迫してるぞアムウェイ!


最後はいつもの調子となりましたwww


勧誘の際に「アムウェイは広告費を使ってないから~」と嘘(不実告知=違法行為)を言われた際には、是非このエントリーを見せましょう。

・君が言ってることは嘘、特商法違反だよ
・こんなにたくさん広告費を使っているよ
・だから原価率も低いよね
・一般的に原価率が低いと、商品の質は高くならないよね

以上の三段論法でねじ伏せてください。

今回はここまで!