先日、こんなことを宣う輩が現れました。


「マルチ商法(連鎖販売取引)は実質禁止商法」と
意見を言ったらこう返されたのですよ。



まあ、少し調べればわかることですやん、とも思いましたが、140字では書ききれない部分もありましたし、いい機会でしたのでここにお纏めします(Naverじゃなくてごめんねw)

1.所謂「悪質マルチ商法」に対する無限連鎖講防止法の適用可能性 
   愛知学院大学法学部 杉本一敏准教授

 31ページにもわたる長い論文であるため、趣旨を変えないレベルで要所要所を抜粋します。

このように訪販法は連鎖販売取引に対し全面禁止や開業規制といった方策を採らず,
行為規制を置くに止めたが,竹内教授は同法の規制趣旨を次のように解し,
同法はマルチ商法の実質的な禁止立法であると説明した。(11/31P 左列)
更に竹内教授は,本法が具体的にマルチ商法の実質的禁止立法として機能する仕方として,
重要事項不告知罪を例に挙げる。(11/31P 右列)

 はい!ずばり言ってますね。法律の専門家のご意見です。
 おそらく2006年以降の論文か寄稿だと思います。


2.連鎖販売取引 : 村上陽一法務事務所

 こちらも法律の専門家、司法書士のご意見です。

本来の目的が薄れ、高利益を得ようと半ば強引な勧誘行為を繰返す等の問題が多く、
特商法でほぼ全面禁止に近い規制がされています。

 「全面禁止に近い規制」とはほぼ禁止な商法≒実質禁止商法と捉えて良いですよね?
 全面禁止に近いと実質禁止は違う!など異論がある方はエビデンスを添えてコメントくださいw


3.
連鎖販売取引(マルチ商法)に対する考えに対する公開質問状 
  特定非営利活動法人日本消費者連盟

 某マルチ寄り国会議員に対する公開質問状を、我々消費者の代表である消費者連盟が出しました。
 消費者の全員ではないにせよ、大多数の総意ではありませんか?
 その中から抜粋です。
訪問販売法改正後、マルチ商法を連鎖販売取引として、
特定商取引の1取引形態として認めながらも、
契約締結前や契約締結時の書面交付の義務付け、
広告への一定事項の表示の義務付けや誇大広告の禁止、
不適切な勧誘行為(不実告知、威迫困惑行為等)の禁止 、
クーリングオフは20日間(一般の訪問販売は8日間) 、
中途解約権の付与などにより、実質禁止が目指されてきました。

マルチ商法が合法なビジネスだといわれるのは、
特定商取引法により厳しく規制されて初めて合法化されるという意味であると解されます。
著名な商法学者であり、消費者法の第一人者である故竹内昭夫氏が、
1976年に、国会に参考人として招致された際、
「(公正なマルチとは)安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」
と述べられました。
入口において、よいマルチはないということが法の趣旨であると理解できると思います。

 あらあら、ここでも竹内教授のお名前が出てきましたね。
 良いマルチはない!(公正なマルチとは)安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」と断言してらっしゃる。
 故・竹内昭夫東大名誉教授は、反マルチのメッカ(私が住んでるからw)である愛知県生まれで、反マルチ商法の急先鋒である著名な法学者です。


4.
連鎖販売取引に関する法規制の強化を求める意見書
  2012年(平成24年)4月13日 日本弁護士連合会

 これも結構長いので、関連個所のみ抜粋です。
 勉強になりますので、気になる方はリンク先の全文をお読みください。

7 ピラミッド型連鎖販売組織の全面的禁止の検討

(1) 連鎖販売取引と無限連鎖講
連鎖販売取引は,会員の拡大により大きな利益が得られるかのような
誘引方法が射幸心をあおる特徴がある一方で,
加入者の拡大が有限であるため破綻必至性があり,多くの者が損失を
被る構造であることから『実質的に禁止すべきもの』と指摘されてきたものの,
経済活動を行う多段階の販売システムが広く該当する可能性もあることから,
罰則による全面禁止ではなく,やや厳しい行為規制にとどめたものとされている。
<中略>

ピラミッド型連鎖販売取引は,商品流通により得られる利益が存在する点では
通常の経済活動の側面も認められるものの,新規加入者が無限に拡大することが
組織維持の前提となっているならば,組織としての破綻必至性が明確に
認められるものであるから,その実態が明らかになった組織に対しては
罰則をもって禁止すべきである。
これが法律の専門家である「弁護士」の総意です。
もうピラミッド型マルチ(ピラミッド型でないマルチはあるのか?)は禁止にしちゃえ!とのことですw


5.マルチ商法とはどういうものか? : 行政書士吉田安之

 最後に行政書士の先生がズバッと言っておりますので、これを引用させていただき
締めくくりたいと思います。
平たく言うとこういうことだとお考えいただければ幸いです。

現時点で法律の規制を読みますと正当に勧誘行為や商売を行うことは不可能というくらいに
強い規制がかかっています。
つまりどこかしらで違法勧誘をしなければまず現実的に商法が成り立たないくらいに
とんでもなく厳しい規制が有るということです。
(私は日本国は実質的にマルチ商法を禁止していると思っています)